コンテナガレージ

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仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

今日は何の日?2-5

 期限は一週間、もちろんパスポートも鞄に入っている、それは僕が確認したから、受付カウンターでまごまごと惑って悲観にくれたりはしない。

 一階は到着ゲート、二階が発着だった。どこへ行こうか、僕は旅行に興味を見出せないらしい、学校では海外旅行に行ったという自慢話を長期間の休み明けに特定のクラスメイトがさも自分の力、資金、行動力によってなされたように話を多少盛り、場を盛り上げ、優越感に浸り、云々、そういった非常に吐き気をもよおす場面を見てきたし、生活の場を離れることでもたらされる体験や経験は豊かな感性を持った子どもに育つ、という現実の社会を見つめれば、そういった人たちで溢れ返っているはずの空港に僕と同年代はごく少数という現状を目の当たりに、言われていることの不確かな証拠が採取できた、と思えて行動に意味を持たせた。

 電光掲示板で目に付いた行き先を目指す。チケットは取れるだろうか、カウンターできいた。席は空いている。チェックインを済ませ、売店で空腹を満たす、サンドイッチとフルーツ牛乳を購入した。

 行き先までは眠って過ごした。

 空港に着いて乗り換え。登場口で三十分ほど待ち、二時間ほどの次のフライト。そして今度は電車に乗り換える。空港でついでに買ったガイドブックを眺めた僕はここでも目に付いた場所に行き先を変更したのだ。時間の感覚はまるでわからない、日本人が考えることを放棄して前の座席でたのしそうに話していた。無自覚は究極に動物的な目的と本能を開花させる。

 電車が運んだ土地に降り立つ。まったく知らない異質の町並み。赤茶けた色とオレンジや黄色、茶色が主流だろうか。荷物はリュック一つ。着替えは数日分。洗面台があればそこで服を洗って、持って来た紐と洗濯バサミで干せるため、荷物を最小に保った。寒さも頭に入れて、薄手の風を遮断する上着を一枚忍ばせてある。 

 先にホテルを探すことに決めた。ガイドブックを参考に日本語が通じるホテルを見つけたので、そこを目指す。数ブロック進んで、川を渡った。大きな川幅。電車ではこれよりさらに大きな湖ぐらいの川を通った。リバーと書いてあったので間違いないだろう。

 ホテルで空室を訪ねる、もちろん予約はしていない。子どもだけでの宿泊は許可できない、フロントで門前払いを受けた。宿泊は可能、しかし、トラブルには巻き込まれたくはない、あるいは条例や州の法律で決まっているのかも。

 困った表情を浮かべる担当者に別れを告げる。宿泊が難しければ、移動し続けるしか方法はないだろう。飛行機、電車、バスならば移動でも睡眠は取れるだろうし、シャワーも主要な都市部、中心街になら簡単に見つけられる。長距離の電車、寝台車は必ずそういった施設は完備されているだろう、心配は無用。