コンテナガレージ

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本日はご来場、誠にありがとうございました5-9

「与えられた情報を手がかりにした、犯行場所の特定は僕には不可能だ、超能力者でもない限り、イメージで情報を呼び出す技能は持ち合わせてない、よって犯行はどこかで行われたと、ここからはじめる。死体はそれほど出血が多くなかった、死体を持ち運ぶには好都合だね、ただしだ、マスコミの目を気にしていたという事件後の証言を忘れるわけにはいかない。料理の盛り付けは配膳係りのバランスで崩れてしまうかもしれないんだ、見つかる危険を冒してまで、死体を当然ならが死体とはわからないよう包み込み、屋上に持ち上げた、これは非現実的だ。テーブルに運び目の前で、料理と対面を果たす創作・先鋭的な料理も存在はするけれど、死体を数人がかりで、運搬作業にあたる場面をマスコミや一個人のカメラが見逃すだろうか、と思うんだ。つまり、配膳係りが一つの皿を協力して運ぶテーブルに他のお客の意識は向けられる、と僕は考えた」

 小川は端末を取り出す、マスコミが発信する公の情報を彼女は素早く浚った。待ったをかける仕草で話の進行を掌で制した。視線を彼女は一手に集める、機敏な親指の動作は若者特有の指使い。

「……ありました、ありましたが、うん、ああ、ダメですね。アングルが全然、地上から撮った写真ばっかりです。待ってくださいよ、大手の新聞は見出しに写真がついてるんですよ、購読料を払わなくっても確かみれてたはずで、ここだったっと。やっぱり……、地上から入り口を写した写真しかありません」

「そもそも、ビルから狙う職種ってかなりきわどい職業でしょう?それって高値で買い取ったら、私たちの目に入らない」館山が正論を放つ。

「ああ、なるほど。つまり、全国紙の新聞や週刊誌よりも高額を提示してブルー・ウィステリアが買い取ったのかあ」