コンテナガレージ

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本日はご来場、誠にありがとうございました5-8

「従業員と警察が現場の工作に動いた、料理の工程ではどういう場面ですか?」小川が尋ねた。

「強引に食材の味を引き出す化学調味料を使用することと、出来上がりの料理に不ぞろいな彩を添えること」

「は、はああぁ」

「ひれ伏したみたい……感心なら、ほほうだろうが」

「下ろす下ろさないのくだりはどうやって説明を?」国見がいう。彼女のあんぱんは消息が不明だった。確か、電卓の横に置いてあったと思う。

「それも警察と従業員のやり取りに含まれるかな。尖った味を出来合いの調味料で覆い隠した、元の味がわからないほどの量をね」

「ちょっと苦しいですね」小川がいう。

「そうかな?そもそも死体は作られたという前提で話しているんだから、不具合の調節は、奇抜なアイディアを採用せざるをえないんだ」

「ふーむ」

「ではもう一つの場合、死体が他の場所で出来上がった場合は料理で表すと、どのように作られたのです?」今度は館山がきいた。順番に互いの発言を守っているみたいに思える。飛び出す順番を頑なに守る、彼女たちが自然に構築したルールかもしれない、僕に一度の、何度も働きかけることを遠慮しているのだろう。従業員たちについての考察を、コンマ数秒で丸め込み、微粒子に縮めた。店主は、応える。

「作られた、ということから考えれば、おのずと理解は容易い。完成は屋上、つまり皿に盛り付けて、その皿をテーブルに運び、お客が口につける過程が当てはまる」

「調理工程から離れましたね、店長」

「当てはまる、といったのはわかりやすい説明のためだよ」

「うーん、はい。じゃあ、続きをどうぞ」