コンテナガレージ

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私は猫に石を投げるでしょう2-3

 ニュースで耳にした情報によると、朝食にご飯を食べる家庭をパン食の家庭が上回ったそうなのだ。つまりは、パンを朝に食べる人にとっての器に需要が見込める、ということに私は感度を上げて捉えた。ここからはノンストップ。周りが目に入らない、いいや、余裕がないのだ。考えるのに必死で。楽しいとさえ思った。時間が過ぎるもの気にならない。あっという間。体は疲れているだろうけど、ううん、それよりも、爽快が十分勝ち得ている。

 平面的なサイズを模索する。プレートが候補に挙がった。しかし、平たい皿は持ち運び、運搬で割れてしまう危険性が高いと判断。大きさを数種類に分けるか。だけど、あまり皿の厚みは持たせたくはないのだ、重たい皿で食べたくはないだろう、いいや、待てよ。私は目を見開く。重さをあえて前面に押し出そうか。それがいいかも。だって、ご飯や味噌汁のように手に持って口運ぶ大きさや形状を求められない、食卓に置いて、食べものだけを口運ぶ。重く、壊れ易いから、丁寧な扱いを心がける。子供向けにもいいかも。壊れない皿を子どもの頃に使っていた、スプーンもコップもあらゆる食器も。壊れるということは、教育面のアピールには最適かもしれない。すかさずにメモ。日中に手帳を取り出している。私はにやけた。誰かに見られただろうか、構うものか。だって、うれしいんだから。

 仕事に目処がついた、というよりも気がついたら残すは最終的なチェックのみ、終わってしまっていた。歯医者で治療を受ける診察台と親戚のような背もたれ、椅子ごと振り返って、窓を見つめた。日が傾き始めた時刻に差し掛かった、デスクの端末が光ってる。旦那からだ、三時間も前の着信だった。立ち上がって、連絡を入れた。すぐに通話が始まる。

「もしもし」

「もしもし、やっとつながったぁ」

「慌てちゃって、何か用事?」

「今日の保育園のお迎え、行けなくなった」

「そう……、仕事?」

「怒らないのか?」私がいつも怒っているみたいな言い方。実際は怒っている。

「仕事はもう終わりそうだから、私が代わるよ」

「よかった。今度、代わるから、お迎え」

「いいよ、貸しっていう考えよくない」