コンテナガレージ

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蓬 麻中ニ生ジヨウト助ケナケレバ曲ガリクネル 自ズトハ偽リ 2-3

最終の利用客に鍵を貸した係員は顔を覚えられない家入さん、事件の前夜被害者が生きてるよう当人に成りすまし部屋のキーを受け取る宿泊者は同伴者と夕食に出てフロントを横切った、車には乗らず同伴者のみを通過させる。二人共に駐車場を離れる、記録に残された、管理人は午後九時に退きますし、九時以降の出入りは、はい、タクシーは認められるそうです、ですから憶測で話していると冒頭に申し上げたはず。駐車場に潜む宿泊者は何食わぬ顔で食事から戻った被害者を演じた、受け付けは遠矢さんか、家入さん。被害者の部屋を開けるも入らず回廊で時間をつぶす。借りた部屋の領域内でならば怪しまれることもありません、食事を済ませる同伴者とその後部屋に戻り仕掛けは整った。『ひかりやかた』の予約客リストをホテル側はかたくなに公開を拒みました、それでも殺人の可能性は払拭しがたい、警察は内容を確かめ公開を避けた。鈴木さんが取得した調書には掲載が見送られた、不要な詮索を当時の警察が独断を働かせてしまった。ちなみに警察自ら二人の親密な関係を知りえていた証拠として、そう小松原さんの死体が見つかった直後彼女は警察病院に搬送され隔離のような扱いを受けた。引き離したかったのです、小松原さんの家族、主に奥さんと。リストはあえて見ようとはしなかった、二年前は一時間以内に死体を凹ませた、対し肌は紫に染まりきる途中で二人目小笠原さんは見つかる。準備不足、しかし殺しは遂行したぞ、私たちは勝手に一昼夜を部屋の中で死体がすごし、であるならば発見前日に『ひかりいろり』の利用者が部屋に死体を作り上げて腕輪型のキーを何食わぬ顔で返却した、との事実を見過ごした。ただしその場合は、興奮されないように、死体を室内であの形に作り上げる機材を必要とし更に搬入出の説明が付帯する。室田さんは係員の特性を知らなかったのでしょう、警察も頭のおかしな連中の戯言、取り合わなかった、これらが重なり、あえて時間をかけ証拠が残る犯行に手を染めやしない、警察はあっさり除外しそれ以降触れるのも躊躇う、小松原さんの家族は真相を願っていた、そこへとっかかりを投げ入れようものなら食いついて離さない、もちろん証拠不十分に調べは労力に比して得られない成果を警察は悟る、除外は警察なりに家族にも配慮を促していたのです。