コンテナガレージ

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3 ~小説は大人の読み物です~

 

「また、当日の渡航が困難なお客に対しては後日、渡航と同等の演奏が披露されなくてはなりません。これについては、現在検討中というか、参加できなかったお客さんたちのスケジュールを聞き取る段階で調整にはもう少々時間がかかる、とだけお伝えしておきましょう。ええ、もう一度言いましょう。ありのままをお話しするつもりは毛頭ありません、そのことをどうかお忘れなく、三度目の機会が訪れないことを私は期待します。残る課題に私たちは取り掛かる。権限を持った担当者、事態を把握している者が二人、私の目の前で端末を駆使、方々へ確認を取り交渉を図る、スピーディーでした。続いて検討の材料は、私の事務所プリテンスのホームページとJTC(ジパング旅行乃社)のホームページに同時掲載を踏み切るか否か、を議題に上げた。情報に触れる機会をお客さんに向けて創出する、これが狙いです。そもそもが異端の企画ですし、なりよりも私の歌を聴くつもりがあるお客、なおかつ一週間をひねり出せる奇特なお客に向けた情報発信、と私は捉えます。はい、そういった意見は女性担当者が真っ先に忌憚のない意見を述べてくれた。ただし、多くの目に触れる機会を望みはしましたが、不特定多数とまで願ってはいない。その他多くの旅行企画であるならまだしも、これは非常に狭い領域を狙う、まさに提案です。大勢の意見に左右される人たちには口をつぐんでもらいたい。おっしゃるとおり、矛盾をはらんでいますね、私の意見は。とはいえ、飛行機代欲しさに搭乗される遊び半分の輩と長時間フライトを共にするのは公演を待ち望んだお客にとって非礼にあたる。ファンクラブ等の会員システムは設けていないのです、所属一年目に検討はしました。何が、優遇されるのでしょう?優先的なチケットの獲得権を得て新曲の売り上げを見込む数字としての指標に利用をされる、私が会員ならばそのように受け止めます。さあさあ困りました、お客には知らせたいが、大勢に発信しては企画自体を台無しにしかねない。私の情報はほとんど更新をしません。ですから、常にチェックを欠かさない、というお客は少数です。寸陰を惜しんでいる暇はしかしありません、ええ、手を打つべきだった。失敗であるなら、次の方策に切り替える。私は行動に移しました」