コンテナガレージ

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仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

ガレットの日7-5

「そういうお前はお子様みたいにハンバーグなんか食べて」

「ハンバーグがお子様という認識は、うがった見方だ」

「また講釈が始まったよ、耳をふさげー」

「大人でも食べるからだろう?」

「いいや、大人が食べさせているから。子どもが好きそうなものとして与えているのから、子どもが好きになる。食べさせていなかったら、別の料理が好物になる」

「生きていりゃ、嫌でも目に入る」

「うん。だけど、それがおいしいとは認識できていないし、食べようとも思わないかもしれない。惜しくはないあれは食べてはいけないもの、そうやって親に刷り込まれたら、行動に移さない。つまり、親の支配の下に子どもの味覚、好みは形成される。また親は世間やサービスを売り出す企業からの支配を受ける」

「おまえさあ、言い方っていうか、表現が固いよ」

「お前の言い方は軽すぎる」

「くくっく。最高」

「笑ってんじゃねいよ、まったく」

「それにしても、あの人、今日はいないようだな」

「せっかくの目的がこれじゃあ、果たされずじまいだ」

「ホントに気持ちを伝えるつもりか、返事を聞いて卒倒しないか、お前?」

「馬鹿言うなって、腹はくくった、玉砕覚悟だよ」

「砕けたら元もない」

「ははは」

「だから、笑うなって。お前は、黙ってピザを食べてろ」

「今日ってお前のおごりだよね、付き合ってくれって言ったのはそっちだもん」

「ああっ?それぞれ好きなものを注文しておいて、いまさら何を言ってんだか、僕の財布には千円札が一枚しかありません」

「騙したのか?今月、ピンチなのに……」

「金は貸さない」

「先に言うなって」

「先月分の飲み代がまだ未清算だ。それをまず返してからだ」

「返す言葉もないっていう言葉は返した」

「おい、あの人じゃないか、ほら」

「……ああ、そうだ」