コンテナガレージ

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本日はご来場、誠にありがとうございました5-14

「お互い、様か」一言がぎこちなく読点をを求めた。

 稗田は声に黄色を混ぜた、ぐっと踏ん張って、力を溜めて、解き放った。「ねえ、明日さ、会社で私の話し相手になってくれる?」

「二十年前、似たようなお願いをされた」

「誘ったのは、だって私だもん」

「変わらない」

「進歩が足りないんだね、私」かすかな笑い声。

「いや、あなたとの関係が変わらない」

「言ってくれるわね、トースト冷めるよ」

「コーヒーはとっくに飲み干した。お代わりは?それに食べたという嘘は私の皿に注ぐ視線で悟れる」

「いつか、隠し事は知られてしまうのかあ、この歳になって一つ学んだ、歳を重ねるもの案外、うん、悪くない。すいませーん」

「はい」

「コーヒーのお代わりを、それとハムトーストも」

「かしこまりました」

「だからさっき頼めばよかった、店員は思っているね」、と稗田。

「打ち明けたら真実、沈黙は無実だ」、と真下が締めくくり。

 バッテリーランプが点滅を始めた。そのため記録はここで終了となる。

 

午後二時五十八分。停止。記録者 鈴木。