コンテナガレージ

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私は猫に石を投げるでしょう2-5

 あまり一度に大量に食べ過ぎないことを肝に銘じて、仕事中は小食を心がけている。お腹がすいていたけれど、ハンバーグ定食をじっくり時間をかけて、私は食べた。

 夕方の五時を回って、フロアに戻り、仕事のチェック。息つく間もない仕事振りは乱雑なミスが多かったが、全体的な仕事量は八割を超えていた。細部を整えて、再度見返すためにさらに時間を空ける。時間を空けるのは、誰に言われるでもなく、私が思いついた仕事への取り組み方である。旦那に娘のお迎えを押し付けて、家に帰るのが深夜を越える原因のほとんどが最終チェックに捧げた、無駄と思える時間。

 今日は定時に帰れる。私は再び、席を立って。外出した。時間を有効に使わなくては。車を走らせて、駅前のスーパーを目指す。隣町の駅のほうが近いので、そちらを選んだ。送迎バスが出ていないほうの駅である。会社は二つの駅の中間に位置する。

 食料が傷まないように保温バッグを車に完備。これで急激に食品が傷むこともないし、冷凍食品も数点買ったので、それが保冷材の代わり。会社に戻って、デザイン、仕様をチェック。よし、問題ない。上司はいない。私がすべての権限を持つのだ。音楽はいつの間にか、私の一部に体に溶け込むようにまったく、騒音どころか流れてることすら感知していなかった今日の後半戦だった。クライアントに提出。これで終了だ。定時前のちょうど午後七時だ。私はいつも指を咥えて羨ましがった姿をやってのける。お先に失礼します。退社を告げて、閉じるエレベーターのドアに駆け寄り、飛び乗った。駆け出したのはどれほどまえだっただろう、数字が減少するライトの文字を眺めて重力加速度を体感した。