コンテナガレージ

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重いと外に引っ張られる 1-5

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「とりあえず、我々だけでは手に負えないので応援を呼んで下さい。それと人が入れないように現場保存もお願いします」動転した警官を落ち着けるためにゆっくりと選んだ言葉で話した。警官はやっと自分の責務を思い出し、熱のこもった返事。
「わかりました」その警官を残して、鈴木は通報者の女性に話を聞くことして、トンネルを出る。外の方が風を感じる分、心地が良い。
「あなたがあの死体を発見されたようですね」女性はその声で鈴木を見やる。
「死体?あれってやっぱりそうなの?なんだか厄介なことに巻き込まれたわ」高いヒールは都会でこそ違和感を覚えないが周囲に生い茂った雑草が生えているここでは不釣り合いなのは彼女の方に見えてくる。
「ここを通られた時に見つけて警察に通報したんですよね?」クマルに指をさして鈴木がきく。
「ええ、そうよ。さっきあのひとにもおんなじことを言った。ねえいつ帰れるの?これから用事があるのだけど」
「あそこに転がっているのが死体だとするとすぐにお帰りいただくは無理ですね」
「どうしてよ?」鈴木に一歩詰め寄る。
「あなたが死体を置いた可能性もありますから」鈴木は努めて冷静な発言で相手の温度にも動じない。
「はぁ?何言っての?私が通報したのよ?それでなんでわざわざ私が置いたりするのよ」両手を大きく広げてオーバーアクション。
「あくまでも可能性の問題ですから、あなたが犯人であろうとあの死体に関わっていなくても今の段階で帰すわけにはいかないのです。予定はキャンセルしていただくしかありません」