コンテナガレージ

仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

ch 3 

「目に留まりますよ」「優しいのね」「それとも見返りがほしくて?」「識別に長けて、席までを正確に言い当てます」「、なんと?」「塩漬けは適度にシソを加えませんと、ね」「選ぶ楽しみが失われましたが」「あら、不確定に価値などがあって」「握手に他人…

ch 2

「出ます」スタジオを早朝に時を計れる電車を選ぶ、「後日改めて改善をこちらに」余分に一席買わされた挙句、急かされて搭乗は人目を引いた。当地、待たずと出迎える車は手筈の通り、「抱えます」顔を車内へせっかくはそちらの早合点では。「反対のドアを開…

addict ヱディクト

本日から新しい小説を掲載します。 ch 1 「お待ち致しておりました」あわや衝突、彼がマネジャーであるらしい、東北までを車で大変な御足労を願いました、「いやはや安堵は、していられませんよ」、胸を張る姿は奇妙にも様になる、オオガキは案内役を助手席…

put on more layers of clothing 1

「待つの、それ」 「私のことですか?」 「、あなたが誰だか知らないけど、はぁ、返事をしたもの。居るじゃないの、はっつ、はっ、、ふうう」 「車内の忘れ物でしたら、届出は明日の朝ですよ」「駅員の姿はありますけど、時間外に彼らは応じません」 「袋の…

夜かいの翌週。賑やかな通り、『ブーランジュリー』供給の『コーヒースタンド』が提供(おく)る例のミルクフランは長蛇の列へ次から次、人を吸い寄せる。入店を前に三人に一人が『エザキマニン』より筋向こうへ心変わり、待ち時間の長さが仇と出る。通りは整…

「松本商店に落ち着きました。あれは、作戦だったの、ですかね」 「一本気だと思うよ店長は。けど、cleverness(クレバー)と捉えるのが正しい映(みえかた)だろうな」 「おいしいですよね」 「同意を求めるな」 「いいじゃないですか、減るもんでもなしに」 「…

はじめにクロス、つぎにフォーク 3

「いやあ、いや。『ブーランジュリー』で合羽を借りてひゃあ正解でした。屋根付通路(arcade)を出たとたんにこの大降りでして……すいません大きな声で突然。その、今よろしいですか?」顔を出したのは、約一時間前にハブと供に店を出た樽前である。 「出来上が…

はじめにクロス、つぎにフォーク 2-2

「新潟県T市の出身、町の主産業に金属加工業を据えたそこを故郷と仮定し、さらに銀製品を取扱う業者が身内もしくは知人にいたとして表立った順路(route)と密かに通じ特別受注による仕事が仮にさらにまかり通ったとして、あなたが云う血液を多量に浴びたであ…

はじめにクロス、つぎにフォーク 2-1

「鈴木さんが持ち込む資料によれば、種田さんの断言と区役所の記録は符合します。論議を他外(よそ)に、日本正さんの妻はその死亡が確定したわけですね。では生きていた、僕と維(つな)がる訪問者は単なる思違であったのか、書類より訪問者(このかた)こそ居場…

はじめにクロス、つぎにフォーク 1 

「死体の目撃者と死体を生み出す殺人鬼の一人二役を日本正さんは挙手自ら望み犯則へ任せた。順に追う。目撃を証する者と探し、現れ出でるや空(あき)つ手。暗渠のその一間酒の気夥(おび)らん坂上貴美子さんが眩(ま)い込む。計画の中(うち)もしくは僅か起りう…

役不足な柔焼菓(sponge cake)と不確かな記憶 8

「店長、聞きました?橋口さん、『PL』の全店に商品を納めてるんですって、野菜がたんまり余って大変らしいですよ」 「はは、お恥ずかしい」後頭部に橋口の右手が所定と言わんばかり吸い付く。やや前に傾く上着(jacket)を迫出(せりだ)す下っ腹が小山、暗室…

役不足な柔焼菓(sponge cake)と不確かな記憶 7

はぐらかす説明の施しは意図的な構成が背景に見え隠れする。おそらく何かしらが結実するに違いない、種田は店主がわざと雄弁を気取る様を見抜いた。本質を早く!、急立てる気忙な連中の黙殺には無碍に扱うが適当。これで最大の効用が得られる。店主の解説を…

役不足な柔焼菓(sponge cake)と不確かな記憶 6

規則に従う、私たちを含めたS市民の扇動・洗脳は水面下で日常生活に私たち自身が取り入れた。店長は言切る。各自に付与された規則は単数複数、幾多、数多。外に目の向くいわゆる社交的な人は自害を招く内省侵食に独立した個人の復旧に、山篭りや孤島の野生…

役不足な柔焼菓(sponge cake)と不確かな記憶 4

「素人なりに事件に適度に通じていた。不可抗力の仕業も当嵌(あてはま)る、開店に欠くことなしのしつこい随伴に毎日晒された。前を置きはこの程度に、さて、事件をどのように解読したか、これについては少々難儀な会見とならざるを得ない、というのも、とて…

役不足な柔焼菓(sponge cake)と不確かな記憶 3

「柔焼菓(sponge cake)を一覧(menu)から削除……この場で慌ててもいます。即決は、難しい」樽前は詠じるがよう両のこめかみを挟む、節くれ立つ指はまるで蜘蛛のよう。 「一号店のみです」店主は、樽前の勘違いを指摘した。 「なんだぁ、それならそうと、いやあ…

役不足な柔焼菓(sponge cake)と不確かな記憶 2

「coffee(コーヒー)は私が淹れます」coffee(コーヒー)豆が選ばれ倉庫の棚に並びはしない。半端な飲み物の提供は避けたのである。小川は即席(インスタント)の粉末を携行するのだろうか、店主の考えはとんと及ばない。 靴を鳴らして段差を上がる種田が彼女等の…

役不足な柔焼菓(sponge cake)と不確かな記憶 1

夕方の帰宅混雑(rash)にcoffee(コーヒー)豆が間(まに)合う、客の切れ間を縫う樽前が配達のお礼にと午後八時頃coffee(コーヒー)を従業員それぞれに手渡した。厨房に踏み入れた時機(とき)にと彼の打診、本日閉店後の会合に僕は了承した。場所は『エザキマニン…

あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」が訊きたくて 9

「店(うち)に用というと店長への面会ですか?」 「入院患者みたいに言われますね」小川の言い回しは店主の気難しさを発言の根本とする。 「食事とそれ以外の訪問目的とでは店長、応対を見事にはっきり分けますから」小川は体の水滴を手拭き(ハンカチ)で払う…

あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」が訊きたくて 8

夏雨に見舞われた。忙しなく反復運動に勤しむ間欠窓拭(wiper)は活き活きと蛙みたい。聴取は大勢に覗かれた取調室で一夜を明かす現在も続く。人権侵害の抵触を避ける参考人へは九時間の睡眠を促し翌朝七時頃に再開するらしい、起床は六時半であるから、食事、…

あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」が訊きたくて 7

「あなたは高山明弘さんですか?」「はい」 「五月二十七日S駅の地下通路において犯行を目撃しましたか?」「はい」 「事件後、あなたは繁忙を理由に出頭願いを拒否しましたが、離れられないかかりっきりの仕事をあなたは抱えていたのでしょうか?」「はい…

 あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」が訊きたくて 6

物音が聞こえる。階段を上がる正面奥に自動昇降箱(elevater)が出迎える、左手に構える二枚の戸(door)はひっそり佇む柳。手前の一枚は色艶と素材に勝る『応接室』金色の金属板(plate)が明らめ掲ぐ。二枚の間やや右寄りに額に入る掲示板が掛かる。奥の一室は事…

あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」が訊きたくて 5

昨日駆けずり回った成果を人数に限りのある車内は会議室で報告をする。移動車両は熊田の自家用車。 「銭湯で談笑する近隣住人は不科白(extra)で、雇われたのだろう。一芝居打って現金が舞い込む。前金と後払い、風呂で長湯をすれば好く、人員募集は黙って群…

あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」がききたくて 4

昼食(lunch)は大盛況のうちその幕を閉じた。店内は活気を通り越し血気盛、いつまで待たせるのとお客の数名が扉(door)を開け閉め牛鈴鐘(cow bell)を鳴らし。打って変わる、本分と云うべき不動、鳴きもしない。献立(menu)開発に新たな一面を加える提供(approac…

あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」がききたくて 3

飛び出した洋食店『エザキマニン』へ引き返すも夕食帯時(dinner time)が始まった。呼びかける機会は過ぎた。食欲を無理に呼び起こす種田は手早くハヤシライスを平らげ長尺対面台(counter)に積む皿越しに念を送るが、二度目の妨害、小川という従業員の遮りに…

あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」がききたくて 2

小川安佐はpizza(ピザ)生地の具合を一時間の休憩から戻る館山リルカに見てもらい、かろうじてお客さんに提供を許す合格点をもらった。店長はそ知らぬ顔に過言(いいすぎ)はと、それでもpizza(ピザ)生地については先輩に全権を一任するのだった。たまに確認を…

 あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」がききたくて 1

白に塗り替えた内装、自動扉(door)の一枚外側に鎧戸(shutter)、導き光床に一筋二筋陽が漏れる。倉庫を思い起こす。罪悪感と身を寄せた「明るくなければ」は、体内で最高域(peak)を迎えた。立ち上り、霧散。煙草の煙みたいだ。種田は日本正(にほんただし)の吐…

「はい」か「いいえ」 7

「臨時休業」を力いっぱい書き付けた印刷(copy)用紙を店内から貼り付ける。 筆pen(ペン)の踊る動きを求めて隣の文房具店へ押し合いへし合い、命からがら目的の商品を買い、四つに折り畳んだ白衣(はくい)から取り出す用紙に清算(レジ)台を断って借りる。購入…

「はい」か「いいえ」6

常人の発想は疑いようもなく妥当、正当性を帯びる。頚部を胴体から切り離す手技にknife(ナイフ)の適用は短時間における作業に不適格な選択だ。切断面の歪みのない均一な面、傾斜は一撃による製品、作品と呼べる。手入れされた包丁はスムーズに肉の繊維をぺろ…

「はい」か「いいえ」5

「凶器を犯人が持ち去る、行方は像録機(camara)が追いきれず途切れてしまった。目撃者は二名で地下道から見上げことの惨劇を目の当たりにした。けれど、犯人の姿は見ておらず、逃走する犯人らしき姿も覚えがなかった……。S駅で起きた事件なら私知ってますけ…

「はい」か「いいえ」 4

「……という幕劇(drama)みたいな映画っていうのもありですけど、最近のは高感度の無線集音器(ワイヤレスマイク)が鮮明(clear)な映像と相まって物語の本質をないがしろにしてしまってる。人間の視力と聴力を超越したがために失ったものを取戻すべきなのですよ…

「はい」か「いいえ」3

被害者の遺送時期と遺送先の詳細を求める催促に、熊田は我冠せず、待ちの姿勢を貫く。捜査に手は貸すが管轄内の段取りまでを明かしてなるものかよそ者、隣家の庭を出入りするから、熊田の裡である。見つかる肩口の痕にも刃物の触(あた)りは望めもせずに留保…

「はい」か「いいえ」2

「店長、この新聞も持て帰ります?」国見蘭と館山リルカは予測に準じさっさと店を出た。ぐずぐずと着替えを最後に小川安佐が精算台(レジ)に積み重なる雑誌、読み物の束に手をかけた。暴風雨、洪水警報はS市全域に発令、午後九時半を目処に店を閉めた。九時…

あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」がききたくて 1

白に塗り替えた内装、自動扉(door)の一枚外側に鎧戸(shutter)、導き光床に一筋二筋陽が漏れる。倉庫を思い起こす。罪悪感と身を寄せた「明るくなければ」は、体内で最高域(peak)を迎えた。立ち上り、霧散。煙草の煙みたいだ。種田は日本正(にほんただし)の吐…

  「はい」か「いいえ」1

先週は店の二階にとって開業から今日までで最も脚光と活躍の場を与えられたろうか。二週間に一度、手抜き掃除を続けていて正解であった。月曜の昼食献立(lunch menu)は気温の低下を考慮したシチューを起用し日曜の夕刻あたりから取り掛かり終電の一本前まで…

『する』が次第に『すべき』に変わり、『すべき』はころりと『しなければ』

手ごたえを感じるなどとは恐れ多い、立ち止まり居座る安住の地であってたまるか。 日本正(にほんただし)は暑さを日増しに否応なく体感する北の夏仮居(かりずま)いの一屋へ網戸を取り付けようか、思案は着替えと退室の数分内でのみ許す、昨日は配送業務を行う…

「はい」か「いいえ」1

先週は店の二階にとって開業から今日までで最も脚光と活躍の場を与えられたろうか。二週間に一度、手抜き掃除を続けていて正解であった。月曜の昼食献立(lunch menu)は気温の低下を考慮したシチューを起用し日曜の夕刻あたりから取り掛かり終電の一本前まで…

テーブルマナーはお手の物  6

「つまり、私たちと言葉を交わした二人はまったくの別人であった、これを信じろとでも?」 「お怒りは重々承知、僕だって騙された一人だよ。種田がすべてを見通せる博識ぶりは認めるけど、だれにでも見落としや失敗のひとつはあるんだから。汚点と思わないこ…

 テーブルマナーはお手の物 4

「様子を見てくるよ。やっぱり窓が気になる」おもむろに鈴木は粒の大きな雨の中へ再び出て行った。気乗りしないが、種田も小走りに駆けた。鈴木が呼び鈴(iner phone)を押す。登校時間の午前八時前後に高山秋帆(たかやまあきほ)は姿を見せてはいない、今日も…

テーブルマナーはお手の物 3

「五月二十七日の午後十一時四十三分頃だと思います。間に合いそうもない、諦めかけて歩いてました、地下を。……確か、前に男の人が歩いていて、追い越したんです。、その人上を天井を見上げてるみたいで少し気持ち悪そうだなって、不審者が頻(よ)く出るって…

テーブルマナーはお手の物 2

「階段へお客さんの列を誘導して、なんと雨でもお客さんを帰さない工夫を凝らしてるわけですよ」興奮気味の小川安佐は休憩を終えて真っ先にそのことを伝えたかったが、昼食(lunch)の仕込みと、館山リルカはpizza(ピザ)生地の精生(せいせい)に掛かりっきり。…

テーブルマナーはお手の物 1

市内の中心地O駅を西へ、二区画(block)進む。傾斜の急辛(きつ)いでんぐり坂を二つ目の信号で逸れ茶色の雑居ビルを過ぎた先に着く、徒歩で約十分の距離。種田は毎日この経路(root)をO市警察署まで歩く。有形文化財に指定される近代建築の代表作が勤務先と聞…

「する」と「できない」の襲来 5

平謝り。松本商店の専務と部長がようやく帰った、店長の気難しい態度を腹を立ててると勘違いしたみたいだった。顔を出すのは配達人のいつものお兄さんだし、部長さんはめったにというか、季節ごととか、新たに入荷した珍しい品種を隔月に一度ぐらいの割合で…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 4」

「様子を見てくるよ。やっぱり窓が気になる」おもむろに鈴木は粒の大きな雨の中へ再び出て行った。気乗りしないが、種田も小走りに駆けた。鈴木が呼び鈴(iner phone)を押す。登校時間の午前八時前後に高山秋帆(たかやまあきほ)は姿を見せてはいない、今日も…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 3」

「五月二十七日の午後十一時四十三分頃だと思います。間に合いそうもない、諦めかけて歩いてました、地下を。……確か、前に男の人が歩いていて、追い越したんです。、その人上を天井を見上げてるみたいで少し気持ち悪そうだなって、不審者が頻(よ)く出るって…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 2」

「階段へお客さんの列を誘導して、なんと雨でもお客さんを帰さない工夫を凝らしてるわけですよ」興奮気味の小川安佐は休憩を終えて真っ先にそのことを伝えたかったが、昼食(lunch)の仕込みと、館山リルカはpizza(ピザ)生地の精生(せいせい)に掛かりっきり。…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 1」

市内の中心地O駅を西へ、二区画(block)進む。傾斜の急辛(きつ)いでんぐり坂を二つ目の信号で逸れ茶色の雑居ビルを過ぎた先に着く、徒歩で約十分の距離。種田は毎日この経路(root)をO市警察署まで歩く。有形文化財に指定される近代建築の代表作が勤務先と聞…

小説は大人の読み物です 「する」と「できない」の襲来 5

平謝り。松本商店の専務と部長がようやく帰った、店長の気難しい態度を腹を立ててると勘違いしたみたいだった。顔を出すのは配達人のいつものお兄さんだし、部長さんはめったにというか、季節ごととか、新たに入荷した珍しい品種を隔月に一度ぐらいの割合で…

小説は大人の読み物です 「する」と「できない」の襲来 4の続きの続き

ツルムラサキの性質を見極めるべくお湯に潜らせた、frying pan(フライパン)へ水をしっかり拭き熱を加える。傍ら、芯が軟らかくなる頃合、熱湯でぐらうぐる踊るツルムラサキを今かいまやと小川安佐は合図を待つ眼差しを投げかける。 店主はチョウと呼ばれた人…

小説は大人の読み物です 「する」と「できない」の襲来 4の続き

「世間を振り向かせる俗受け行為(performance)。この店の集客数をあなたの店が上回った、と公言したい。行列の長さを通行人に見せ付ける。店舗存続にとれよう手段、理解には及びますが、これは動かぬ証拠、脅迫の罪に問われます」店長は小川に書類を返して訪…

小説は大人の読み物です。<「する」と「できない」の襲来 4>

虚を衝く来訪は見慣れた場面とは決して言い切れず、それでもこの店では幾度となく、いや等期間が過ぎ、来訪者を甘んじて、迎入(むかえいれ)る。大勢に乗じる混雑時が登場の機なのだが、今回は見計らった頃合が開店前に顔を出した。 初対面は発言(はつごん)の…