コンテナガレージ

仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

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「発売前に外装を知られては販売実数が伸び悩む、ということでしょうか」アイラ・クズミは尋ねた。 スーツを着た人物が助手席を下りる、アイラは視線の先を覆いがかかる小型車のフォルムに戻す。「よく私どもの事情を知っておられるようですね」きっちり分か…

K国際空港二階 出発ロビー 60番ゲート前

あの稚拙な言葉遣いはどこで覚えたのか、搾り出した末の発言に聞こえた。気負いを削ぐと残り現れる像である。開け放たれたドアの戻りを手で支えた、私の居場所、閉ざされてなるものか。剥奪権を譲り渡す、そう受け取れたら考えを改めるか。いや、私は普遍的…

K国際空港二階 出発ロビー 60番ゲート前 

miyako、とその女性は名乗った。頭にサングラスを引き上げて待機。自分にはまったく見えていないのに、どうにもサングラスの誤解された使い方に海外の視点どのように捉えるのだろう、アイラは海外のすし屋を見ているようでならない。 miyakoはとても一方的で…

K国際空港二階 出発ロビー 60番ゲート前

「こんにちは。アイラさん、だよね?」確かめるような口ぶり、視界の左端に女性が顔を屈めて立つ。長いコートを羽織る、毛量の多い痛んだ髪、何者であるかはアイラが知るはずもない、彼女は人の名前を覚えない。「はい」そっけなく答えた、いつもの口ぶり。…

K国際空港二階 出発ロビー 60番ゲート前 

「職員専用の特別ルートを通れましたけど、今から引き返したいって言っても応じられませんからね!」ご立腹、カワニの態度は表情との不一致が認められる。所属事務所プリテンスの楠井と専属スタイリストのアキが彼に続く、空港ロビーの利用客はまばらであっ…

私情の市場、史上稀な誌上の試乗  1

「一発オッケーでいいの?ブースに入って十分も経ってないけど」マイクを通じ音声が届く。厭にくぐもった、とも言いがたいが、ガラスを隔てて顔が見えているので、口元から発せられるはずの音が天井のスピーカーを伝う、ピカソのゲニカルようにちぐはぐ、そ…

3 ~小説は大人の読み物です~

3 ~小説は大人の読み物です~

「是が非でも一滴たりとも情報の公開は避けます、とまでは言い切ってはいない、どうか会見のはじめに戻って、そのおぼろげな記憶を改めてください。ギターと生の歌声を、搭乗のどの時間帯に演奏をするのか、という協議もレコーディングスタジオで行いました…

3  ~小説は大人の読み物です~

「物と音の両面を、私のファンは音楽ディスクに見出した。所有による効用を得るのです。ディスクに刻まれたデータ、これを読み取る機器を通じ、聴覚が感じ取る音と振動を彼らは欲する。しかも、ファンは媒体の先へ関心を示す。そう、私は単る仲立ち、仲介役…

3 ~小説は大人の読み物です~

「天井をご覧ください、照明がともってます。朝の早い時間帯、太陽はもうそろそろ上がる頃でしょうか、廊下側がちょうど日が昇る方角、室内はほの暗い。薄暗い中で眼鏡をかける方が素のレンズをかけますか、可能性はあります。とはいえ、室内しかも紫外線の…

3 ~小説は大人の読み物です~

「事務所の数少ない社員を呼び寄せてもらいました、向日さんという方です、記載にはMとイニシャルでお願いします。彼女は、ええ、女性です、会計業務とホームページのウェブデザインも手がけます。小さな事務所、大勢を雇うよりも一人分の給与に加算をする…

3 ~小説は大人の読み物です~

「また、当日の渡航が困難なお客に対しては後日、渡航と同等の演奏が披露されなくてはなりません。これについては、現在検討中というか、参加できなかったお客さんたちのスケジュールを聞き取る段階で調整にはもう少々時間がかかる、とだけお伝えしておきま…

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3「食中毒を起こした、これは偶然か否か。事実確認は皆さんの専門ですから、各自で判断を。さて、何はともあれ、飛行機が一台空いた。けれど、懸念事項がまたひとつ残されてました。ええ、ハイグレード席の処理です。最悪の事態を回避した、とその事実に気…

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「会見に不釣合いな質問はそれぐらいで……、そうして旅行会社へ打ち切りになりそうな企画、目的地をニューヨークに定めた旅行プランを探してもらいました。私はアメリカでの演奏が決まっていたのです、定期ライブの次回休演もホームページ上で伝達済みだった…

2 ~小説は大人の読み物です~

「こちらの彼、隣のマネージャーのカワニがライブハウスの事務局から一報を受けます。彼は私の仕事場である収録スタジオで、航空会社jafの女性担当者と打ち合わせの真っ只中でした、搭乗時における混乱等の対処についてです。担当の方には隣室で待っていただ…

※1 ~小説は大人の読み物です~

「作為が感じられた、皆さんの言葉ではハメられた、とでも言うのですか、自身の身に降りかかった事態だ、と正面から受け止めた後、私は対応策の捻出に思考をあっさり切り替えたられた。はい、記者の方が、おっしゃるように探せば敵は見つかったかもわかりま…

wとg ※1~小説は大人の読み物です~

今日から新しい物語りです。「最初に申し上げたいのは、不本意、ということです。いずれにしても選択肢に最良の手はなかった、そのことを念頭に、会見に耳を傾けてくだされば、と思います。さて、それでは私、アイラ・クズミがニューヨーク行きの飛行機に搭…

ch 10 ~小説は大人の読み物です~

「つまり賃貸の狭苦しい家に住み続けろ、あなたは代わり映えのするわ、けれどね」都合が悪くて、好きにしろ、もう止めだ、持ち掛けて膨らませた与えた夢はあなただというのに、「マンションだって家にいる私と寝るだけのあなたに、わかっていない、わかろう…

ch 9 ~小説は大人の読み物です~

「調べてみれば」「水性と油性、鼻を刺激するのが油性だって。しかしマンションで使えるのかね」「業者は断りを入れるんでしょう、とんかん二つ隣り部屋を去年だか、窓は開けられんし、仕えたところで作業員の体がやられる。まずは管理会社だわな」「人件費…

ch 8 ~小説は大人の読み物です~

「駐車場を備えてくださいます、私が支払うので」「機材の運び入れにバックヤードの敷地はライブハウスならではでしょう」「特設ステージを都心では、駐車の数十分がやっと。足元を見て、お宅が機材でしょうとね」「買い換えようかとは」「年季が入りました…

ch 7 ~小説は大人の読み物です~

「入力chを二つ設けますか、観客はアイラさんの動きに逃すまいとですものね、」感心、長く息のつづく、身支度を整える、退室を願う。アンコールは構成に含む、呼びかけて歓声の声の枯れるまで、届いた過去は決まりごとに従うのだが、いつまでもいられるとは…

ch 6 ~小説は大人の読み物です~

「今しがた、帰られたばかりよ」「顔を合わせられますか」「通り向こうに二人、二階の喫茶店に一人」「良いお天気だこと、こちらの方にコーヒーを、それとチーズケーキは私によ」「気づかれてしまい、転ぶ先を楽しむ。隣りに座りますかね」「感情を見せるの…

ch 5 ~小説は大人の読み物です~

「突飛な発想を、皆さんもよく快諾されましたね」嫌味ぐらい言わせてくれ、カワニは首を振る。彼の心配をよそに受付に並ぶお客らは入場券と交換に、リクエストを伝えた。アイラの案だ、一人の音響係りでは手に負えず、二人であるならば担当を分けた二日間を…

ch 4 ~小説は大人の読み物です~

「お待たせしました」「電車の遅れに合わせた」警察官はいつからです、門番をやめたのは、澤村はきいた。O署はライトに照らされ、本日のご案内は終了いたしました、翌日の営業時間が閉じた自動ドアの向こうに見えてもおかしくはだ。先を行く刑事に追いつく…

小説の書き方<物語りに合わせて章の入れ換え・追加を行う>

読者の心に響く物語を作るには、章の入れ替えやエビソードの追加を行うことが求められます。視点人物に注目をして、調整をすると、章を削らなくても入れ換えや新しい章を加えることで物語りにメリハリがつきます。 というのも、小説の描写は登場人物や第三者…

ch 3 ~小説は大人の読み物です~

「どちらに」「問いかけをためらう場所に」見せびらかした腕の在りかは長い袖に包まれる、影に入り寒気に傾く、秋の模様に日が照らされた昨日をひとは過ぎてしまわれた、嘆くのだ、通りすがる寒いの言葉。葉の生い茂る入り口を引く扉、最寄りの日が当たる席…

ch 2 

「私が副代表を務める会社に芳しくありませんでした売り上げに追い打ちがそれは執拗に大きな陰りを見せつけまして、一念発起を私、この私一人が決意を固め起こした事であります。等価交換と思えますね、予知に煎じてこちらは教えてさしあげましたから、従属…

C  ch 1 

「疑心暗鬼、気安く声はかけられませんか、同室者に名前の違う者と死が忍び寄る」都内はアイラが通うスタジオにカワニとアイラ、エンジニアは席を外した、時刻は昼を回る。昨日の今日で、カワニの嘆きへ一瞥をくれる、コーヒーを飲むか尋ねる振り返りを誤る…

ch 10

「私の連絡が入る想定を、一大事だぞ、家庭が子供だとお前の食事すら迫る死を覚悟していろ」声の低くタテカワが、秋の端末へ登録者の名前を聞き出せたのだろうか。「いないぞ」「前例は当たり前です、姿を消すかやり込めた計画に残しませんよ」 劈く、「探偵…

ch 9 

「居ない者を裁けませんよ」澤村の言うとおり、乗客に紛れられも、人数はあの時はまだ警察か、扮した澤村がロビーに集まる彼らを読み呼ぶ。一人二役は乗客より手の挙がるさ、「コンテナにまかさ隠れているとは、」「言いません」上にあがります。「確証があ…